岸辺の日記

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混迷を極める英国市場。財務相が中銀総裁に責任転嫁

トラス政権の提案する積極財政が招いた混乱を抑えるため臨時の国債買い入れを行った英中銀ですが、当初予定通りに買い入れを終わらせようとすると、混乱の原因であるトラス政権から思わぬ横槍を受けました。買い入れ終了によって市場が混乱した場合、それは英中銀の責任だと言うのです。

英中銀は計画通りに今週末で国債買い入れを停止するため、英国の年金基金等に予めポジションの解消(英国の年金はレバレッジをかけて英国債に投資していた模様)を行うよう忠告していたようです。それに対して英国の年金基金国債買い入れを延期するように求め、それに政府も同調した格好です。

今回の混乱の原因はトラス政権の無謀に見える積極財政であり、そのことを棚に上げて中央銀行を批判するのは少し筋違いのように思います。公約違反になるため難しいのでしょうが、積極財政という政策を撤回しない限り、今回の混乱は収まらないように思います。

英中銀が政府や年金基金の不興を買ってでも買い入れを計画通りの停止する背景として、インフレ対策中に国債買い入れによって資金を市場に供給する矛盾があること、中央銀行が政府から独立した存在という前提が崩れてしまうこと、を恐れてのことだと思います。不人気であることを承知でこうした原理原則を守ろうとする英中銀総裁の姿勢には敬意を表したいと思っています。

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