新政権が積極財政を打ち出した結果、金融市場が大混乱に陥った英国。その英国の年金基金が資産の投げ売りをしているようです。
記事によると英国の年金基金は債券にレバレッジをかけて投資していたようで、債券価格の下落によって追い証が発生しているようです。そして追い証対応のために流動性の高い資産を売却することを迫られているとのこと。英中銀が国債を買い支えるのが来週末までとのことで、それまでの間に現金を確保したい事情があるようです。このような状況の中、投資銀行に保有資産を2-3割引の価格で売却する事例も出てきているようでした。年金基金の資産は国民の資産ですから、新政権の積極財政は意外なところにその影響を及ぼしたことになります。
この記事を読んで改めて感じたのはレバレッジを使うことの怖さです。私はレバレッジを使った投資はしていませんが、レバレッジはリターンの嵩上げに役立つ(マイナスリターンも増幅されることになりますが…)一方、追い証が発生するリスク、また私が現時点で認識していないリスクが存在することは意識しておいた方が良いと思いました。
不動産を買う時に住宅ローン等のレバレッジをかけることは一般的になっていますが、これは不動産価格の変動幅が小さく、また住宅ローンには追い証に該当するものがない(ローンの支払いが滞らない限り、住宅を取り上げられることはないはずです)ことが前提になったものと整理しています。同様の事例は金融資産への投資ではおそらく当てはまらないと思います。