岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

社会改善のために金融業界に支払われる手数料は必要悪か?

環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)を重視するESGという考え方の広がりとともに、ESG関連で金融機関が得た収入が40兆円超に増加しているとした記事を読みました。40兆円超の中身は、環境に配慮した融資に関連した収入が多いものの、環境に配慮した債券の発行や運用助言による手数料も含まれるそうです。

私は資産運用にESGの考えを導入することは運用実績の追求と両立しないように思われることから疑問であるものの、金融機関が顧客(債券発行の事例で言えば債券の発行体)の同意を得てESGに配慮することは問題ないと思っています。手数料支払に同意しているということは、顧客は手数料支払を上回るメリットを見込んでいるわけで、それを他者がどうこう言う必要はないということです。

とはいえESGを重視することを通じ、40兆円超という多額のお金が金融機関に支払われていることには少し違和感を感じます。ESGが大事だという意見にはある程度は同意するものの、それらを重視するために社会全体が40兆円超のお金を追加的に支払っていることになるからです。40兆円超のお金は(ESGを特別に重視しない)これまで通りの運営をしていれば、支払う必要がなかったということもできます。

ESGのように新しい考え方の広がりは、これらに取り組む人たちに莫大な利益をもたらすものです。これらは社会改善のための必要悪なのだと思いますが、利益と社会改善のメリットのバランスには留意する必要があるように思いました。

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