岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

社会問題の解決を学校教育に期待する風潮について。学校で学習すべき事はすでに沢山あるのでは?

金融庁がまとめた今後の方針に、金融教育を国家戦略とすることが盛り込まれているようです。記事によると社会人を含めた全世代を対象に金融教育をほどこす方針とのこと。その金融教育を行う主体として民間金融機関以外を想定しているようで、金融教育を民間金融機関の営業の場に使わせないような配慮を感じることができます。

金融に関する知識を身につけることは悪いことではありません。特に新社会人に対する金融教育は、新社会人が将来を計画する上で有用でしょう。自分を振り返ると、当時どれだけ自分ごととして学ぶかは分かりませんが、そうした機会があっても良いように思います。

ただこれは新たな知識習得の機会が乏しい社会人に限った話※です。学校教育で学ぶべき内容は増え続けており、最近ではプログラミングが学習範囲に含まれていると聞きます。限られた時間で学べる内容に限界がある以上、これ以上学習内容を増やすことは現実的でないでしょう。「金融教育」と大上段に構えずに、家庭科の授業1回分を使って収入の範囲で生活していくこと等、最低限のことを学んでおけば十分であると思います。

新社会人に対する金融教育も、そうした内容に興味がある人とない人で、学習への取り組み姿勢は全く異なると思います。また社会人になるまでの間に、家庭での教育を通じてお金との付き合い方は学んでいるように思います。そのように考えると、社会人に対する金融教育もどのくらいん効果があるのか分かりません。

金融知識の欠如によって苦労する人が存在することは不幸なことだと思います。ただそうした人を根絶するために、全ての国民に対して金融教育をほどこす必要があるのかどうか、知識の欠如を自覚したり不安に思う人向けに選択的に学習機会を提供する等の工夫があっても良いように思いました。

※社会人の知識習得の機会が乏しいことは、それはそれで大きな問題ですが…

reedonshore.hatenablog.com