岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

中国と新興国株に対する悲観論を確認する

新興国株式は追加投資の有力候補の一つになっています。新興国株の約1/3は中国株で占められており、また台湾など中国の影響を強く受ける国の株式も多く含まれることから、新興国株への投資を検討する際は中国に対する自身の見解を整理する必要があると考えています。「自身が前のめりになっている時ほど反対意見を確認すべし」というわけで、直近の中国悲観論について調べてみました。

中国では不動産危機、経済成長鈍化、規制リスク(共産党の企業に対する影響力)、ゼロコロナ政策、電力不足といったマイナス材料が挙げられています。ゼロコロナ政策は時間が経てば解消されるでしょうから、長期的に心配する必要があるのは不動産危機と規制リスクだと思います。このうち不動産危機は中国悲観論が語られる際に常に指摘されており、オオカミ少年ではありませんが本当に来るのか半信半疑なところがあります。日本人は不動産バブル崩壊の記憶があり、このリスクを過大視する傾向があるように思いますが、ただ本当に顕在化するとその影響は大きいでしょう。規制リスクは10月に開催される5年に一度の党大会で何らかの方向性が打ち出されるのでは、という考え方もあるようです。

このようなマイナス材料がある一方、利下げ等の景気刺激策というプラス材料もあります。マイナス材料として挙げたゼロコロナ政策や電力不足も含め、対処方法が明確な問題は、中央に権力が集中しトップダウン判断で物事が進みやすい中国が取り組みやすい問題であり、この点はは引き続き中国の強みのように思えます。

また新興国株全体に対する悲観論としては中国に対する懸念の他、米国の金融引き締めや欧州のエネルギー危機等でリスク資産への投資が回避されていることが指摘されていました。リスク資産への投資が回避されているのは一時的な問題だと思いますので、新興国株への投資判断はやはり中国に対する考え方次第ということになります。

足元の市場の動きを見ると新興国株は定位安定しており、6月中旬以降の株価の反発にも反応していません。先進国対比で割安に放置されているように見えることは魅力的であるように思いますが、今回の記事で指摘したような長期的なマイナス材料を考えると割安放置にはそれなりの理由がありそうな気がしてきました。FRB高官の引き締め継続発言を受け、先進国株がしっかりと調整しそうであること、またすでに新興国株へはそれなりに投資していることを考えると、次回株価が割安になった時の追加投資先は先進国株を多く含んだ全世界株で良い気がしてきました。株価が本格的に調整するまでにはまだまだ時間的な余裕がありそうですので、もう少し悩んでみたいと思います。

reedonshore.hatenablog.com