岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

米国の労働者の勤労観が面白い。労働市場の環境によって変わる力関係

米国では企業が週3日の職場勤務を求めているのに対し、労働者は週1回で良いと考え、企業の出社要請を重視していないことが記事になっていました。

その記事で面白かったのが、労働者が強気に出る背景として労働市場の環境(企業側が労働者の確保に苦心している)が言及されていることです。米国の労働者に関する記事等を読むたびに面白いのは、当地の労働者が企業に対して対等な立場で対峙しているように感じることです。
米国では転職が当たり前であることがその理由だと思います。次の職が見つかりやすい環境で、雇用主の要求に我慢できない場合や自らの要求が通らない場合は、次の職を探せば良いわけです。逆に現在の職が貴重だと思えば、我慢できる要求には従うことになります。自身の行動を左右するのは労働市場の環境です。

このように労使が対等であることは良いことであるものの、自身のキャリアを自己責任で構築することが求められる厳しい側面もあります。米国では会社都合による解雇は珍しいことではないようです。こうした中で投資銀行で働く若手職員が、業務の減少によって余暇の時間が増え、そのことを不安に思っているという記事も出ていました。業務が減少し、回復の見込みが低いとみなされた場合、場合によっては人員削減のようなことも起こりうるのでしょう。

日米どちらの雇用慣行が良いのかは意見が分かれるでしょうが、環境変化が激しいとされる昨今、社会全体としては米国式の方が良さそうです。米国式では労働者は労働市場を介して雇用主と対等である一方、自身のキャリアを自己責任で構築することが求められます。個人として日米どちらの雇用慣行を好むのかは意見が分かれそうです。

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