岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

潮目が変わった?ロシア政府が外資系石油会社の事業撤退を禁止する

ロシアに進出する西側企業は経済制裁への協力として、ロシア事業からの撤退を決めることが多いです。私はこうした撤退が、ロシア国内の企業への安価での事業譲渡につながるのではないかと思い、経済制裁としての効き目に懐疑的でした。実際にロシア政府はロシア極東の資源開発プロジェクトへ出資する日本企業に対し、嫌がらせのようなことをしています。ただし、こうした私の推測を覆すかもしれない報道が出ていました。

ロシア政府が外資系の石油会社と銀行の事業撤退を禁じたそうです。銀行事業の撤退は融資の引き上げにつながるため、代わりに融資する自国の銀行が出てこないと困るという事情はなんとか理解できます(ただロシアにもズベルバンクなどの銀行はありますし、外資系銀行が大きな融資シェアを持っていたという話も聞いたことがありません)。ただ石油会社については事業撤退が行わればその権益をロシア企業が安価で取得すればよいわけで、わざわざ撤退を禁止する理由が分かりません。

以前、旧ソ連崩壊の一因としてソ連
石油産出量が急減したことを挙げる意見を聞いたことがあります。その意見によると原油採掘のために必要なメンテナンスが欧米から受けられなくなり、石油産出量が減り、そのことがソ連崩壊の一因となったとのことです。同じようなことが現在のロシアで起こり始め、そうした事態から脱却ないし予防するために、ロシア政府が態度を変えているのかもしれません(日本企業は出資者としてお金を出しているだけであり、ロシアから見ると撤退しても問題ないのだと思います)。

ロシアにとってエネルギー輸出は西側諸国に対抗する唯一と言っても良い武器になります。この武器が使えなくなることはロシア経済と戦争継続に大きな影響を与えるはずで、今後に注目したいと思います。

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