岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

アジア通貨危機は再来するのか?現在懸念されている国は新興国株の投資対象になっていない

先進国株の株価回復により追加投資先の候補から先進国株を外し、新興国株かクレジット債のいずれかを有力候補としています。足元の株価回復は業績等のファンダメンタルズを伴っておらず一時的とする見方に私は賛同しているものの、とはいえ待機資金が積み上がるのも気分の良いものではありません。そんな中、アジア通貨危機の再燃を懸念する記事が出ていましたので、新興国株への追加投資を考えている身として興味深く読みました。

私の理解ではアジア通貨危機は、米ドル建て融資に支えられた経済発展を遂げた南アジア諸国において、自国通貨安と金融機関の資金引き上げが同時に起こったことから発生したものです。記事では自国通貨安は既に発生しており、また金融機関の資金引き上げも発生する可能性が高いとしています。たしかに自国通貨安はドルの独歩高により明らかですし、金融機関の資金も米国で金利上昇が起これば引き上げられる可能性は高いでしょう。

ただ現在の南アジアの発展が外貨建債務によって支えられたものかというと、そうではない気がします。実際に私が読んだ記事でも、南アジアの国がドル建てではなく自国通貨建ての債務を増やしてきたことが紹介されています。

また仮にアジア通貨危機のようなことが起こっても新興国株にはあまり影響がないように思っています。アジア通貨危機の対象はタイ、インドネシア、マレーシア、韓国といった経済規模の大きな国でしたが、現在懸念されているのはパキスタンスリランカバングラデッシュといった国々です。現在懸念されている国は経済規模が小さく、新興国株投資の対象にもなっていない(主要インデックスの投資対象国を確認しました)ためです。連想売りのようなことが怒るかもしれませんが、パキスタンスリランカなど問題が顕在化した国が出現しているものの、新興国株には大きな影響をもたらしていないように見えます。

新興国株についてはアジア通貨危機の再来よりも、その約1/3を占める中国の動向が重要になると思っています。経済の減速が著しいとされる中国に今後どんなことが起こるのか、注目しています。

reedonshore.hatenablog.com