昨日の参院選は自民党の大勝という結果になりました。現行の経済政策が継続されることを見越し、市場は株高・円安で反応しています。
選挙結果を分析する記事をいくつか読みましたが、今回の大勝で岸田氏は長期政権が可能となり、同氏が必要と考える課題にじっくりと取り組むことが可能になるようです。どのような課題を優先すべきかは与党や政権の専権事項なのでしょうが、私はまず優先されるべきは経済対策だと思っています。
選挙結果を伝える報道の中で、参院の改憲勢力が2/3を超えたという見出しが散見されました。憲法改正は国政の重要課題で、関心を持つ国民が多いことは事実ですが、今回の参院選の主な争点が憲法改正論議であったとは言えないと思います(ちなみに冷静に考えると、何が選挙の争点だったのかがよく分かりません…物価上昇対策が争点だったのでしょうか?)。
改憲に必要な国会内の条件が整っているとはいえ、改憲論議に精力を傾けることは、岸田政権の政治的資本を空費することになりかねません。多くの国民の関心事は日本が「失われた30年」からいかに脱却するかであるはずで、この点を重点的に取り組んでいただきたいと思っています。
なお、国会で改憲案が可決しても、実際の改憲には国民投票が必要になるようです。改憲に必要な手続きが多いことは私はうまくできた仕組みだと思っています。国民投票という手続きがあるからこそ、今回の選挙で改憲勢力に投票した人もある程度はいたと思うからです。改憲の可能性ばかりが極端に重視され、国会での議論が進まないことこそが、最も忌避すべき事態でしょう。
何はともあれ長期政権が可能になった岸田氏が今後どのような政治課題に取り組むのか、注目していきたいと思います。