資本市場では景気後退入りの可能性が強く意識されるようになり、株価は再び下落しています。私は株価が下落した場合に追加投資を行う計画で、そのため株価が下落し始めると追加投資を検討し始めるのですが、そんな時にナンピン買いに関するYouTube動画を視聴しました。参考になったので備忘の意味をこめ、その内容を記事にしておきます。
この動画ではナンピン買いについて「優良な投資商品に対し、計画的に行う」場合に限って有効としています。なるほど「優良な投資商品」でないと、価格下落という何らかの変調の兆しを示している投資商品を闇雲に買うことになってしまいますし、「計画的」でないと追加投資の資金が足りなくなってしまうようなことが起こりがちです。その上で「計画的」なナンピン買いの条件として以下５点を挙げています。
１，小さく刻み過ぎない(大きく下落した時に限って投資する)
1%程度の小さい下落幅では追加投資しないということです。これはある程度は実行できています。株式市場は10%程度の下落は頻発するもの(近年大きな下落局面が少なかったのは例外と考えるべきでしょう)であり、私は10%くらいの下落が発生した後に追加投資を検討するように考えています。ただ手元の現金が積み上がってしまった時、現金を抱える運用効率の悪さを嫌気してしまい、小さい下落幅で追加投資してしまった経験はあります。そうした時はこの記事を思い出すように心がけます。
２，同じ価格で買い増さない
追加投資の価格を分散しようという発想ですが、これはあまり意味がないような気がしました。後に出てくる「後悔しない売買をする」という観点で、時間分散を優先して同じ価格で買い増すという考え方も成立しうると思うからです。
３，最悪を想定しておく
下落の勢いが止まらず、下落し続ける可能性を考えておくということです。これもできています。私は長期投資の対象となりそうな全世界株や新興国株(これは意見が分かれるかもしれませんが…)、クレジット債を投資対象としており、これらの投資商品は永遠に下がり続けることは考えにくいと思っています。
ここで思い出すのがロシア株への投資判断です。ロシア株は私にとって珍しく、1年程度の投資機関を想定しており、長期投資の対象ではありません。ウクライナ侵攻が起こった日に投資を始め、その後経済制裁の可能性を嫌気して株価が下落したのですが、追加投資は行いませんでした。投資を開始した際、追加投資の余力を残していただけにかなり迷ったのですが、結果はともあれこの判断は間違っていなかった気がします。
４，ナンピン買いをしていることを他人に言わない
冷静な売買ができなくなることを戒めるため、SNSでの発信も含め、他人にナンピン買いについて話すべきではないということです。これは自分ではできていると思っています。このブログを通じて投資状況をお伝えしていますが、匿名のブログですし、またこのブログを無理に有名にする気持ちもありません。ロシア株に投資していることを友人に話したこともありましたが笑い話としてですし、冷静な売買の妨げになることはありません。
５，恐怖と欲望と分割していることを意識する
最後ですが、これが一番共感できました。ナンピン買いはある意味で時間分散であり、時間分散を行う理由は大幅下落が発生する「恐怖」ということになります。また手元に現金が残っているのに市場が上昇に転じた時、買い場を逃してしまうという「欲望」にかられて手元の現金の全額を追加投資に回すことは、その後の下落リスクを負うことになるということです。将来がどうなるにしても、そこそこ満足できる売買をすべきという考え方はとてもよく理解できます。
最後におまけとして、外貨建資産に投資する場合の為替の影響について紹介されていました。この動画では現地通貨建てで判断すべきとしていました。最終的に資産を使うときは円で使うわけで、為替の影響も無視し得ないわけですが、原資産の値動きに比べて為替の値動きは限定的であるし、原資産と為替の値動きに関連はないので、現地通貨建てで下落していれば追加投資して良いのではとの見解です。
私は原資産と為替のいずれも、安くなったところで買う方針であり、また為替よりも原資産を優先して投資判断すべきと考えています。投資行動は結果として一致していますが、動画で紹介された考え方に腹落ちはしていません。
私は前回の安値に到達した段階で追加投資しようかと思っていましたが、1と2の条件を考慮(2は納得していませんが)し、前回の安値よりも1%くらい下落したところ(既に20%超下落していることになるので、1の条件は満たされています)で追加投資しても良いかと思いました。紹介された意見のすべてに賛同するわけではありませんが、勉強になる動画でした。
