岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

チャーチルの伝記映画を見て緊急事態における議員の判断について考える

ウィンストン・チャーチルの伝記映画を見ました。ドイツ軍がフランスに侵攻し、フランスに駐留していた英国軍がフランスで全滅される可能性があった頃を舞台にしています。開戦当初に英国がここまで追い詰められていたのには驚きましたが、そうした時期にチャーチルは対独強硬派の首相として政治を行っていたわけです。

英国が追い詰められた時にチャーチルがロンドン市民の意見を聞き、対独強硬姿勢に自信を持つシーンが印象的でした。チャーチルが普段接している議員の中には対独宥和派がけっこうな割合でいたようで、英国が不利な時期に宥和派の意見を聞いていると、自身の考え方が揺らぎかけた時期もあったようです。そのような時期に街に出て市民の意見を聞くと、市民は強硬意見に賛同する意見が圧倒的に多かったというシーンです。

映画なので誇張されている面があるのでしょうし、(またこれは映画の中でも触れられていますが)英国政府もある種の情報統制を行っていたとはいえ、市民の多くが対独強硬姿勢に賛同していたのには驚きました。それまでの政権は少なくとも中立的だったわけで、宥和派的な意見に触れていた市民がそこまで好戦的に変わったかどうかは疑問な気がします。

ただし議員という社会の上層部と一般市民の間で考え方に違いが生じていることはよくある気がします。議会は民意を代弁する立場ですが、民意をうまく捉えきれないことも多々あります。通常では選挙を通じて民意を捉えきれない議員は退出することになるはずですが、戦争のような緊急事態では選挙を通じて民意を確認するわけにもいきません。限られた情報で候補者を判断することは難しく、また緊急時の決断は国のトップに任せるべきという考え方もありえると思いますが、緊急事態でもしっかりした対応が期待できる議員を選びたいものです。

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