岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

ロシアの事例から考える日本の株式市場の魅力

少し前のことですがロシア政府がロシア企業の外国上場の廃止を決めたという記事を読みました。記事によるとロシアの富豪は自らの企業をニューヨーク・ロンドン・フランクフルトといったロシア国外の株式市場に上場させ、配当金を外貨で受け取っていたため、この措置はこうした富豪たちにとって厳しい措置になるとのことです。

ロシアの富豪が自社を海外市場で上場させていた背景は分かる気がします。ロシアの株式市場は十分な厚みがあるとは言えず、十分な金額を資金調達できるか分かりません。またロシアの株式市場で評価された自社の企業評価が、国際的に比較して正当なものかも分かりません。仮に低い評価になっても、海外市場で受けた評価であれば納得できるかもしれません。

ここまでは今回の記事を読まなくても理解できますが、今回の記事で「なるほど」と思ったのが、これらの富豪が配当を外貨で受け取っていたことです。ロシアの富豪がロンドンで存在感を示していることが知られています(ロンドングラードという言葉がありますね)が、寒冷地のモスクワよりもロンドンやその他の西側先進国の主要都市で暮らしたほうが、なにかと生活の質は高くなりそうです。このため富豪にとっては配当をルーブルで受け取るよりも、外貨で受け取った方が便利なのかもしれません。
(なにかと強権的な国であるだけに、配当がロシア国内に留まっている段階で資産が没収されるリスクを嫌っている可能性のかもしれません)

ひるがえって日本を考えると、日本は安全や食事の面で比較的生活しやすい国と言われています。このため日本の富豪であれば、主な生活拠点として日本国内を選択するような気がします(海外にも住居を保有するでしょうが)。このため配当を外貨で受け取る必要はなく、海外生活に必要な分だけ、円を外貨に換えればよいでしょう。企業評価の面でも、存在感が低下したとはいえ世界規模の株式市場もありますし、日本の創業者にとって日本の株式市場はまだまだ魅力的な市場なのだろうなと思いました。

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