岸辺の日記

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日銀の国債保有が国債発行残高の5割に近づく。出口戦略に期待します

日銀は金融政策の一環として日本国債を積極的に買い進め、現在では国債発行残高の50%近くを日銀が保有しています。

直近でも10年国債利回りが目標である0.25%を超えそうになったため、大規模な追加購入を行っており、日銀の保有割合が5割を超えるのも間近とのことです。保有割合が5割を超えることを「ルビコン川を超えようとしている」と紹介する記事を読みました。国債という巨大市場の半分を単一の経済主体によって占められており、その動向によっては国家財政の維持が難しくなる可能性があるというのは恐ろしいことです。

仮に日銀が現在の金融政策の問題点を認識し、市場に出回る現金を減らすために国債保有を減らそうとする場合、国債を市場で売却することは考えられません。償還された現金を国債に再投資しないことで自然減を図ることになるでしょう。一方で国庫維持のため新規発行される国債は誰かが買わないといけませんから、償還による自然減と新規発行分の買い入れ(≠国債の引受け)を組み合わせることになり、金融引き締めの必要性を認識した後でも国債保有は相当ゆっくりした減少になるはずです。そして国債保有減に時間がかかる場合、金融市場がそれを待ってくれるとは限りません。金利が急上昇したり、急速に円安が進むことが考えられます。

黒田総裁は国会での答弁で出口戦略が簡単ではないことを認めており、日銀内部でも出口戦略について様々な検討が行われているものと思います。日銀が出口戦略に失敗すると国民生活は悲惨なことになります。実際に急速な円安が進んでいる中、日銀内部で素晴らしい出口戦略が練られていることを期待しています。

以下は日米の中央銀行保有資産をその国のGDPと比較した推移ですが、日本は突出しています。日銀はFRB以上に優れた出口戦略を考える必要があるということでしょう。

セントルイス連銀のデータベースより

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