岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

本当に怖いのは家計貯蓄が海外資産へ向かう時。近い将来に起こることはなさそうですが…

為替市場が急速に円安に動く中で、家計貯蓄が海外資産へ向かった時が本当の危機なのではないかとする記事が2本出ていました。市場が一方向に大きく動く際は、危機を煽るような記事が出てくるものですが、私自身が懸念して備えていた内容でもあり、興味深く読みました。

それらの記事は企業部門が既に海外展開を済ませていたことを示した上で、将来的に家計部門も海外資産へ資金を移す可能性を示唆しています。ここでいう海外投資は、海外の金融機関に直接資金を移すといった特別なものではなく、国内の証券会社を通じて海外株式に投資する投資信託を購入するといった一般的な海外投資を念頭に置いています。記事の中で紹介されていましたが、20年ほど前に比べて海外投資の難易度は大幅に下がっており、また国内と海外のどちらに投資すべきかと問われると、海外に投資すべきと考える個人投資家は多いように思われ、たしかに家計部門による海外投資がいつ主流になってもおかしくありません。

その上で1000兆円と言われる家計資産の預貯金の一部でも海外資産の投資に向かえば、その円安圧力は凄まじいものがあるとしています。外貨準備の金額は約150兆円ですから、たしかに家計資産の影響は大きいです。

私は家計部門が海外投資に積極化するには相当な時間やきっかけが必要と考えており、家計部門が極端な円安の発端になるとは考えていません。ただし日本は長期にわたる緩和的な金融政策によって、いつ極端な円安が起こっても不思議でない状態になっていると考えており、止まらない円安を受けて受動的に家計部門の海外投資が進むような、終末的なシナリオはありえるかもしれないと考えています。そんなことを考えながら本日、手元の円の一部をドルへ換金しました。

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