岸辺の日記

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ツイッター社の買収防衛策。今後に注目です

テスラ社の創業者であるイーロン・マスク氏がツイッター社の買収に名乗りをあげました。同氏はツイッター社の全株式を取得し、非公開化を目指すとしています。提案された株式の取得価格は54.2ドルで、この水準はマスク氏がツイッター社の株式を取得し始める前の株価を50%近く上回る水準です。

マスク氏の提案に対し、ツイッター社は買収防衛策としてポイズンピルを設定すると伝えられています。買収防衛策を講じる理由として、適切な価格が設定されていないことが伝えられています。1年前の同社株価が70ドル台をつけていたことを考えると、54.2ドルという価格はたしかに割安かもしれません。ただ現経営陣が1年前の企業評価を大きく毀損してしまった(30ドル台で取引されていたので企業価値が半減してしまった格好です)ことは事実であり、仮にマスク氏の提案を否定するのであれば、同氏の提案価格を上回る企業価値をかなりの確度で実現する経営案の提示が必要になると思います。

今回の買収提案にはマスク氏単独でなく、その他の大富豪やファンドと協働することが伝えられていたり、ツイッター社側も他の買い手を模索することが伝えられています。また公的機関から個人までの幅広い主体が利用するツイッターを個人が買収して非公開化することが本当に適切なのかという問題など、様々な論点が含まれています。

以前、新生銀行の事例で記事にしたように私は買収防衛策には否定的で、今回もツイッター社経営陣のこれまでの判断を疑問に感じています。ただマスク氏の提示する条件よりも魅力的な買収案を引き出すための買収防衛策であれば問題ないと思っています。本件が今後どのような展開を見せるのか、注目していきたいと思います。

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