岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

ウクライナ侵攻をきっかけに戦争犯罪について考える。思ってもいなかった切り口がもたらす新たな視座

ウクライナ侵攻を題材に戦争犯罪について考えるテレビ番組を観ました。ウクライナ侵攻で戦犯というとロシアによる犯罪を想起するのが一般的であり、その番組でもロシアによる戦争犯罪を中心に紹介していたのですが、戦争犯罪の概念を説明する中で、ウクライナ側にも戦争犯罪と目されることを行っている例が見受けられることが紹介されていました。
(ウクライナ侵攻をめぐっては情報戦争の側面もあるようで、両陣営とも巧みな情報戦術を展開しているようです。そのような中で今日のような記事はロシア側にくみするような印象を受けてしまうかもしれませんが、そうした意図はないことは予めお断りさせてください)

ウクライナ側による戦争犯罪とは「ウクライナの大統領がウクライナ国民に対し、武器をとって戦うよう呼びかけたこと」のようです。ウクライナの大統領が国民に戦うよう呼びかけていたことは知っており、呼びかけられる側は大変だなとウクライナ国民に同情していたものの、こうした呼びかけが戦争犯罪に該当するとまでは考えていませんでした。

戦争犯罪となる理屈としては民間人が戦争行為に加わると、敵対国から見ると軍人と民間人の区別がつかず、結果として敵対国による民間人の殺害につながってしまうから、とのこと。なるほどたしかに民間人が攻撃してくると、攻撃された側としては敵兵士も民間人も区別なく攻撃するようになってしまうかもしれません。今回のウクライナ侵攻でも起こったようですが、戦争中に民間人が殺害される場合、敵兵士を民間人の区別がつかない事例があったのかもしれません。

ただ政府が形式的に徴兵を行ったことにして、ただ軍服を含めた装備は各自に任せるような場合、それは戦争犯罪にあたると言えるのか(ウクライナの大統領による呼びかけよりも、こちらの方がよほど悪質です)、強制性を持つ徴兵制度を採用しなかっただけ良心的とは言えないか等、この話題には様々な論点が考えられます。

今回の侵攻は様々な切り口で取り上げられており、その中には自分が思ってもいなかった切り口(ロシアからみた世界観や本記事の戦争犯罪等)が含まれます。そして不謹慎ですが、新たな切り口を知ることは視野を広げる上で、とても貴重なことだと感じています。

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