岸辺の日記

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ロシアの銀行がSWIFTから排除される。ロシア株ETFへの影響

昨日までロシア株の購入を振り返るシリーズ記事を作成していましたが、大きなニュースが入ってきましたので、自身の考えをまとめておきます。ロシアの主要銀行が国際間の銀行ネットワーク(以下、SWIFT)から排除されることが決まりました。このことはロシア株、そしてロシア株ETFにどのような影響を受けるのでしょうか。

まずロシア株に対する影響ですが、SWIFTからの排除は想定されていたものの十分に織り込まれていたとは思えず、株価は下落するでしょう。下落幅は分かりませんが、2/24よりも下がることも考えられます。
SWIFTからの排除は経済制裁の最終手段と見なされていますが、逆にいうとSWIFTからの排除後に想定されている追加の制裁はロシアとのエネルギー取引の停止くらいになります。

SWIFTからの排除はエネルギー取引にも相当な影響をもたらすはずです。例えば米国内のエネルギー取引の場合、米国企業はロシア企業の米国現地法人としか取引ができず、その現地法人はロシア本国へ送金できなくなります。仮にSWIFTからの排除によってエネルギー取引が実質的に不可能になっているのであれば(ここが大事なポイントです。実務に詳しい方が読んでおられたらコメントを通じてご意見をいただきたいです)、実効性のある制裁は今回で出尽くしとなり、SWIFTからの排除が価格に織り込まれて以降の下値は限定的かもしれません。

つまり、明日月曜の下落後が底値となる可能性があるかもしれないと考えています。

次にロシア株ETFに対する影響です。SWIFTからの排除により、ETFの大口取引である追加設定および解約が不可能になると思います。機関投資家等による大口の売買が起こった際、ETF運用会社等は株式を実際に売買して投資口を作ったり崩したりするわけですが、その決済が不可能になるためです。

一方で市場で売買されるような個人投資家の小口の売買については、理論上は取引可能です。実際に東京市場に上場するロシア株ETFは追加設定や解約を停止しているものの、市場での取引は継続されています。ただし大口取引が不可能な中で小口売買を継続するかどうかは、米国のETF運用会社や証券取引所の判断に委ねられると思います。
仮に小口の売買に限って取引が継続された場合、その価格は市場の受給によって乱高下する可能性があります。先ほどの東京市場のロシア株ETFも本来の価格に対して市場で取引される価格が大幅に上ブレしているようで、注意喚起をうながす文書が発表されていました。私が取引するのは米国上場のロシア株ETFですが、極端な下落が発生することも考えられます(東京市場で起こっているように、逆に上昇となる可能性もあるわけですが…)。

以上を踏まえますとSWIFTからの排除の影響は、以下のようなものと考えています。
・ロシア株は下落する可能性が高い
・ロシア株ETFは小口取引に限って継続される可能性があり、その場合は追加設定や解約ができない分、市場での価格は受給の影響がより出やすくなる
ロシア株ETFへの追加投資は米国市場で小口取引が継続されるか次第ですが、仮に取引が継続され、市場での価格が2/24の安値を更新するようなことがあれば、追加投資の良い機会になると思っています。

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