岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

資産運用の観点で考える持ち家論争

賃貸と持ち家のどちらが優位かという問題は個人の資産運用において重要な問題です。この記事ではこの持ち家論争を資産運用の観点から考えたいと思います。
今、仮に5000万円の中古マンションを購入することを考えます。この5000万円で中古マンションを買った場合と、資産運用に回した場合の損得を考えていきます。

中古マンションの購入は不動産への投資ですので、それに対応する資産ということでクレジット債やREITが妥当な比較対象でしょう。現在、米国のクレジット債に投資した場合の利回りは5%くらい、日本のREITに投資した場合の利回りは3.5%くらいで、配当にかかる税金を差し引いてざっと3-4%くらいの利回りを得ることができそうです。この投資によって得られる配当はおよそ5000万円×3.5%=175万円となり、月あたりにすると14.5万円になります。

持ち家論争を考える場合、この場合は家賃14.5万円で入居できる賃貸物件と5000万円の中古マンションを比較し、物件としてどちらが魅力的かを考えてみると良いのではないでしょうか。
本来であれば利用後の売却価格を考える必要があるのでしょうが、売却時点の市場環境は分からず、また特に中古マンションは資産としての個別性が強いため、考慮していません。売却価格ということで付け加えると、中古マンションには売りたい時にすぐに売れないことや、家族構成が変わった時に柔軟に対応できないという欠点は考慮する必要があると思います。

一方で持ち家は借り入れ(住宅ローンの利用)が容易になるという特徴も考慮する必要があります。家の購入を考える世代で5000万円の現金を持っている人は多くないはずで、そうした人たちにとって今回ご紹介した考え方は当てはまりません。有価証券投資のための借り入れの難易度や借り入れの条件は、住宅ローンの借り入れに比べて格段に不利となるからです。この辺りが持ち家論争を難しくしているように思いますが、この点を深掘りして改めて記事にしたいと思います。

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