2022年度の国家予算案がまとまり、再出の合計が107兆円と、10年連続で過去最大を更新したとのことです。国の経済規模は基本的に拡大するものですから、国家予算の規模が大きくなること自体は理解できますが、問題はそのペースです。ご存知の通り日本政府のGDP対比の負債比率は世界でもトップクラスとなっています。
このことに対し、日銀が国債を保有しているので問題ないと考える人、国が保有する資産を考慮すれば財政状態は見かけほど悪くないとする人、いろいろな意見がありますが、私は危うさを感じています。これは特別珍しい意見ではなく、このため予算案や国債発行計画について伝える記事では「財政再建は先送り」といった財政の健全性を意識した記述が含まれるのがお約束になっています。膨張を続ける財政に対して警鐘を鳴らしておきたい、バランスの取れた記事にしたいという記者の思いが伺えます。
これだけ積み上がった負債を将来的に人口減少が見込まれる次世代が返済していくということで、これはなかなかに困難な将来になりそうです。日本政府としては穏やかなインフレを発生させて負債を低負担で返済することを考えているのでしょうが、果たしてそう上手くことが進むのか、見守りたいと思います。