岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

米国のインフレ率をめぐるいくつかの見解

金融市場では米国のインフレ率の高まりにFRBがどのように対処するのかに注目が集まっています。年越しを迎えるにあたって今後のインフレ率をめぐる複数の記事を読んだので内容を記録しておきます。

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セントルイス連銀のデータベースより

 

まずもっとも納得感のあった記事が、インフレ率は高まるだろうがハイパーインフレのような極端な事態は想定しなくても良いのではないか、とする意見です(これは米国の話であって、日本についてではありません。念のため)。この記事では歴史を60年代終盤の中インフレ、70年代・80年代の高インフレ、2000年代以降の低インフレに分類した上で、過度な危機感や楽観を抱くことを戒めています。戒める根拠は記事や原文にありませんでしたが、過激なシナリオに振り回されないようにすべきというのは理解できます。仮にハイパーインフレのような事態が起こるとすれば、それは財政拡大・金融緩和の先進国である日本が先になると思うからです。

一方で70年代・80年代の再来となることを心配する意見も当然ながら聞こえてきます。今回読んだ記事では60年代後半から70年代前半にかけて起こったベトナム戦争のための支出拡大とコロナ対策の支出拡大をなぞらえ、支出拡大の後は高インフレとなるのではないかとする意見、またFRBの引き締め転換が既に遅すぎたのではないかとする意見(この意見では急激な引き締め姿勢への転換による悪影響の可能性も示唆しています)がありました。

過度なシナリオではなく、ただし中程度のインフレが発生するのではないかとする意見はバランスの取れた意見だと思いますが、一方で高インフレの時代が来る可能性も確かにあるように思います。いずれにしても今後の資産運用を考える際に低インフレからの脱却は念頭に置いた方が良さそうです。

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