岸辺の日記

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アーリーリタイアは夢かまことか。米国の調査結果

米国のZ世代(90年代後半から2000年代に生まれた人を指すようなので、20代前半くらいなのでしょう)の25%が、55歳までに引退することを計画しているというアンケート結果が記事になっていました。

定年退職という概念がないとされている米国では退職のタイミングを自ら決めることが一般的と聞いたことがあります。今回読んだ記事によると最も一般的な引退年齢は60歳から64歳で、55歳よりも前に引退した人は8%にとどまったとのことでした。成功者が早く引退することが珍しくないとされる米国でも、アーリーリタイアはまだまだ珍しいことなのでしょう。

記事では若者は現実的な想定をすべきとして、引退後の生活費は退職時所得の80%くらいが必要となることが多いのに対し、アーリーリタイアを志向する若者の多く(1/3近く)が退職時所得の60%以下を想定したことを指摘しています。またコロナの影響によって引退時期を先送りした回答者が存在したことも指摘しています。

この分析について、私は少し意地の悪いものを感じます。たしかに一般的な消費態度をとってきた人が退職する場合、所得の増加に合わせて消費も増加しているでしょうから、引退後の生活費として退職時所得の80%くらいが必要になるのでしょう。ただしアーリーリタイアを志向する人の場合、退職後の生活費を貯蓄するために節約生活をするでしょうから、一般的な消費態度とは異なる消費行動をとるはずです。このように考えるとアーリーリタイアを志向する若者が退職後の生活費として退職時所得の60%以下を想定していたことは、決して非現実的な想定とは思いません。

若者が未来を語る時に現実を聞かせるのは年長者の役割かもしれません。とはいえ若者の努力を認め、励ます姿勢は持っていたいものです。

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