岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

新たに見つかった変異株が株式市場に与える影響について

新変異株が株式市場にもたらす影響をめぐり、様々な分析が行われています。現時点では大きな影響にはならないという意見が強く、実際に米国株式の先物価格は上昇しています。私自身も大きな影響にはならないと思っていますが、反対意見を確認するのは常に大事なことです。そんな中で新型コロナ初期(株式市場は最大で30%超の下落を記録)と現在の類似点を指摘する記事を読みましたので、内容を確認します。

記事では市場に安心感が広がっているところが似ていると指摘します。たしかにコロナ前も経済や企業業績は絶好調で、相変わらず現金が多かった私はやきもきしていた記憶(今も同様なので、進歩しないですね…)があります。そうした事情でコロナ初期の下落局面で急いで買い進みすぎて、最も下落した局面で追加投資の現金がなくなってしまったことは苦い思い出です。

そして記事では安心感の広がりによって、株式市場のバリュエーションがコロナ前よりも高まっていることを指摘しています。株式市場のバリュエーションの高さは金利低下によって正当化されると説明されてきましたが、気づけば金利はコロナ前の水準に近づいています。そう考えるとバリュエーションの修正がいつ起こっても不思議ではありません(なお記事にあったPERのグラフに基づくと、バリュエーション修正-コロナ前のPERに戻った場合-による下落余地はざっと10%程度でした)。

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このように広がっていた市場の慢心により、新変異株の影響が大きくなる可能性は否定できませんが、私はそれでも30%下落のような事態には至らないと考えています。新型コロナ初期はコロナという病気がどのようなものか分からなかったことがパニックを呼び起こしたと思いますが、現在はコロナについての知見は相当積み上がっていますし、ワクチンや薬の開発も順調に進んでいます。そのように考えると今回の新変異株による下落幅は最大でも10%台に収まるような気がしています。

とはいえこの記事を読んで積極的に買い進めることのリスク(前回のように追加投資の余地がなくなってしまう可能性)を思い出すことができました。本日も新興国ETFが下がって始まれば追加投資を行う予定ですが、追加投資のペースには気をつけたいと思います。