岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

マスク氏の持ち株売却は同氏のテスラ社に対するコミットメント低下を示すのか?

イーロン・マスク氏のテスラ社株式売却について考えたことを記録しておきます。まず本記事の本旨から外れますが、この度の株式売却は納税用の現金捻出が目的なのではないかとする憶測が出ておりました。後述の通り今後の課税強化に備え、税率が低いうちに売却したのでは、という推測も出ています。

加えて売却の理由として、超富裕層に対する課税強化案に対するマスク氏の反発も指摘されています。米国では創業者がその持ち株を売却するまで納税義務が発生しないことを非難する声が相次ぎ、その意趣返しではないかということです。
実際にこうした超富裕層に対する課税強化を主張するサンダース議員を挑発するようなツイートの中で、同氏は「もっと株式を売って欲しいのか?」と発言しています。

テスラ社とマスク氏の関係性をめぐってはマスク氏の報酬が多すぎることなどが指摘されていましたが、それでも同氏がテスラ社の経営にコミットしていることは多くの株主から歓迎されているような気がします(その大企業の経営者らしからぬ言動については眉をひそめているかもしれませんが…)。「もっと株式を売って欲しいのか?」というマスク氏の挑発には、株主は最終的に自分を支持してくれるはず、という自信が背景にあるように思います。

富裕層を狙い撃ちした課税強化案に反対する論拠として「増税すると富裕層は国を出ていってしまう」ことが指摘されることがありますが、今回の場合は「増税によって富裕層が企業から出ていってしまう」ということなのでしょう。すでにテスラ社はベンチャー企業ではなくなっており、すでにマスク氏の能力は必要としなくなっている意見も考えられますが、今回の件がどう決着するか、興味を持っています。

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