岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

企業の開示頻度が見直す案が唐突に出てくる

企業業績を四半期で開示する習慣は、上場企業を中心に2000年くらいから定着してきました。投資家からの情報開示に要請に応えるため、また海外の開示頻度に合わせるために四半期で開示を行うようになったと認識しています。この度、四半期開示の頻度を見直そうという意見が自民党幹部から出ているそうです。

記事によると開示頻度を見直す背景は「長期的な視点で経営することにより、人材投資や研究開発を促す」とのことです。四半期開示は企業への負担がそれなり重そうで、この頻度を下げることで企業が効率化する面もあるように思います。四半期開示が義務化されることが障害となり、上場を思いとどめていた企業もあるでしょうから、そうした企業にとっては今回の動きは朗報だと思います。

一方で四半期開示を行うと長期的な視点による経営ができなくなるというのも変な気がします。開示頻度によって短期的な経営目標の設定が求められる側面はあるかもしれませんが、それは年次開示になっても大きくは変わらないでしょう。
また海外投資家の利便性についても考える必要があります。米国で四半期開示の是非を問う動きがあることは知っていますが、それでも大半の上場企業は四半期開示を行っているはずです。日本企業のみが四半期開示をしないとなると、海外投資家にとってはやはり不便だと思います。海外投資家の国内上場企業の持株比率は30%を超えていると言われており、彼らの視点を無視することは難しくなっています。

私はこの分野にあまり興味がなく、これまでの議論を把握できていないのですが、諸方面に大きな影響を与える案が唐突に出てきた印象です。実際、この案が出て以降、様々な方面からこの案に反対する意見が出ているようです。
今回このタイミングでこの案が出てきたのは打ち上げ気球的な意味合いが強いのかもしれません。先日の金融課税の強化もそうですが、選挙に向けていろいろな案が出ています。それら案の中には、今すぐではなくても将来的に本格検討される案も含まれていることでしょう。泡沫的な案であっても興味深く見守っていきたいものです。

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