岸辺の日記

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若手従業員の在宅勤務は重大な間違いなのか?

ヘッジファンドの創業者でその業務範囲を資産運用から証券業務まで拡大させたケン・グリフィン氏が、若手従業員の在宅勤務に対する懸念を表明しました。具体的には在宅勤務では管理経験や対人経験を得ることが困難であること、米国の競争力が低下することを懸念しているそうです。

理経験や対人経験がどのくらい重要かは業務内容によるので一概には言えないと思いますし、特に若手のうちはそうした能力はほとんど求められることがないように思いますが、たしかに職場で仕事をすることで得られる知識や経験はある気がします。同僚の仕事ぶりを横目で見て真似することは、有用な学びになるでしょう。

米国の競争力が低下するとの懸念は、中国がいち早く通常勤務に戻したことを念頭に置いたものです。グリフィン氏は在宅勤務をこれまで通りの仕事を続けるには良いが、イノベーションを産み出すには適していないと考えており、単に一世代だけの問題だけではなく、イノベーションが失われることによる経済全体への悪影響を懸念しているようです。職場に戻ることでイノベーションが促進されるとは思いませんが、とはいえ一定の時間を職場で過ごすことで生まれる着想は、たしかにあるような気がします。

このように考えていくとグリフィン氏の言うことは概ね正しいように思います。同氏はその上で、政治や経済界が職場復帰へ向けたメッセージを打ち出す必要があるとしています。社会全体がどのようにして職場復帰を促すのか、そうした促しに各国の労働者はどう対応するのか、眺めるのを楽しみにしています。

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