岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

買収防衛策には相応の企業価値引き上げが求められる。SBIによる新生銀行に対するTOBを受けて

新生銀行に対してSBIホールディングスTOBを行いましたが、それに対して新生銀行は買収防衛策を検討しているそうです。

このような場合に買収防衛策が成立しうるのは、買収防衛策によって被買収企業(新生銀行)の現行経営陣による経営が続いた結果、買収企業(SBIホールディングス)の評価以上の企業価値が付くことになると思います。株主の立場から見ると、自分たちの代理人である経営陣が買収企業よりも高い企業価値を生み出せないのであれば、買収防衛策に賛同する理由はなくなるからです。

記事によるとSBIホールディングス以外の株主に新株予約権を割り当てる方法、友好的な買収先(ホワイトナイト)を探すなどの方法が検討されているとのこと。詳しい条件が分からないので筋違いかもしれませんが、買収企業以外の株主に新株予約権を割り当てる方法は、株主である買収企業を不利に扱うという意味で、株主平等の原則に反しているように思います。

2007年に起こったブルドックソースの過去の事例を見ると、株主平等の原則に反していないと判断されるには、大多数の株主が買収防衛策に賛同していることが必要になるそうです。買収防衛策が検討されているとの報道を受けて新生銀行の株価は下がっているとのことで、買収防衛策に否定的な株主も多そうです。

2007年と今では株主の権利に対する考え方がだいぶ変わっているはずです。今回のケースで新生銀行の経営陣がどのような判断を下すのか、そしてその判断に投資家が同判断するのか、とても楽しみです。