岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

パウエル議長はマエストロか、それもと市場の応援団か。そして最終的にエコノミストが正しいのか?

世界最大規模の債券運用会社を率いたモハメド・エラリアン氏がパウエル議長の政策運営に対して疑問を投げかけるコラムを読みました。先日お伝えしたようにパウエル議長の対応は市場のことを慮った名タクトだったと私は思うのですが、エラリアン氏はこの対応は市場参加者にとっては良かったかもしれない(このためパウエル議長を”市場の応援団”と表現)が、インフレリスクの放置を通じて将来に重大な禍根を残すのではないか、と考えています。私とエラリアン氏の洞察力の差は言うまでもないわけで、大いに傾聴すべきだと思います。

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様々な意見を確認しているとベテランの市場参加者ほど、現在の超緩和的な金融政策に対して、懸念する傾向があるように思います。こうした意見に反対する代表的な考え方は「いつでも引き締めに転じることが可能である」だと思いますが、ベテランはそんなことは百も承知なはずです。引き締めに転じたとしても取り返しのつかない事態となっていると考えているのでしょう。
またこのコラムの中でも言及されていますが、パウエル議長の政策に疑問を投げかけるのはエコノミストが多いように思います。伝統的な経済の仕組みに慣れ親しんだ人の目に、現在の政策運営はやり過ぎと映るのでしょう。

良いか悪いかは別にしてFRB以上に先端的な金融政策に取り組んでいる日本に住む私としては、日本をモニターすることで本当にマズイ事態は回避できる、米国はまだまだ緩和することが可能であると思います。ただし人口動態や貿易赤字など前提条件が異なる国の間で、単純に中央銀行の資産(当然、GDP調整はします)を比較しても、意味がないのかもしれません。

金融政策は市場の中で様々な意見が飛び交う中で醸成されていくものだと思います。私は引き続きパウエル議長応援団の一員ですが、エラリアン氏のようなベテランやエコノミストが最終的に正しいのか、その場合にパウエル議長はどう軌道修正するのか、注目していきたいと思っています。

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