岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

弱い円の長期化。購買力の格差は修正されるのか?

以下リンクにある7月末の資産チェックの記事で言及した通り、為替に関する面白い記事を読みました。

reedonshore.hatenablog.com


その記事では日本円が極端に割安となっている理由を4つ(日本企業が海外投資に積極的であった、日本企業が円安メリットを受けにくくなった、海外投資家の日本資産売り、国内家計の円選好)挙げた上で、日本人の購買力が低下したことを指摘しています。

日本人の購買力低下とは為替が割安になるだけではなく、給与所得の絶対額が減少していることも含まれているとのことです。最近、日本が相対的に貧しくなったという言説を耳にしますが、為替と所得のダブルパンチを受けているわけです。そして通常であればこうした購買力の格差は為替レートによって修正されるはずですが、格差が修正されないことは日本の先進国からの脱落を意味するのではないか、と論を進めています。
(少し脱線しますが、最近、為替を切り口にして日本の衰退が特集されることが多くなりましたね)

なるほど購買力が維持されるように為替レートが決まるという考え方(購買力平価説)には、国の経済的な地位が大きく変わらないことも前提になるのかもしれません。この仮説はもともと「超長期」で「ある程度は」成立するはずだ、という曖昧さを含んだものでしたが、曖昧さを増幅する要素がさらに加わったような気がしました。この点については今後もあれこれ考えていきたいと思っています。