岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

FRBに対する信頼感。金融市場はテーパリングという悪材料をどう消化するか

米国では経済の正常化にともなって金融政策の転換が検討され始めています。これまでの緩和的な政策を止めることについて金融市場への悪影響を懸念する声も聞かれますが、私自身はそれほど大きな悪影響はないような気がしています。

前回金融政策の転換にともなって市場が混乱したのは2013年、現在と同様に世界金融危機後の量的緩和を引き締める方向の変更でした。2013年というと8年前ですから、私達一般市民がいかに学ばないとはいえ、さすがに記憶は鮮明です。
またその際の反省から当局者は一般市民以上に学んでいるはずです。現在のFRB議長のパウエル氏は2013年当時FRBの理事でしたから、当事者として当時の記憶が残っているのだと思います。そのせいもあってか、今回の政策転換の検討にあたっては事前に判断材料を小出しにするなどして、市場へ影響を与えてないように、十分に配慮されているように思えます。先月のFOMC後の情報発信で、インフレへの警戒感は明らかにしつつ、ただし政策金利は当面維持することも名言するあたり、絶妙なバランス感覚だと思います。

このように考えると今回の金融政策の転換を金融市場はうまく乗り切るように思いますが、はてはてどうなることやら。FRBの次のイベントは8月末のジャクソンホール会合だと思いますが、そこでどのようなことが議論されるのか、要注目です。