岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に見る古典の影響

例によってアマゾンプライムで見た映画です。事故で家族をなくした男性が生きていく様を描いたもので、特に大きな出来事が起こるわけでもなく、淡々と話が進んでいきます。
映画の一貫したテーマは喪失感だと思います。自分自身は実感をもって理解することはできないのですが、家族をなくした経験はその人の人生観・考え方に大きな影響を残す気がします。

この映画を見ていて思い出した映画が1980年の「普通の人々」です。複数部門のアカデミー賞をとった名作とされていて、音楽の使い方など、かなり意識をしているように思いました。
ただ本記事を書くにあたり「普通の人々」を検索したのですが、名作だけあって後のいろいろな作品に影響を与えているようです。後世へ何らかの影響を与えるのが古典なのだとすると「普通の人々」は明らかに古典の条件を満たしていると言えます。

映画というのは娯楽を目的として作られている部分があり、このため古典とされる映画には正直あまり面白くないものもあります。受け取り手の感性や知識の問題かなと思っていましたが、映像関係で働いた人と話をしていて「古典の中には現代の感覚では面白くないと感じるものがあるのは当然だ」と言われ、妙に納得した記憶があります。
ただ「普通の人々」はそんなこともなく、今の感覚で見ても十分に楽しめる作品です。私が見たのも20年以上前のはずなので、機会があればもう一度見てみたい気がしました。機会があれば「マンチェスター・バイ・ザ・シー」ともども、お楽しみいただいても良いのではないでしょうか。