岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

資本市場は宿命的に民主的であることが求められる

昨日の記事ETFを材料に、良質な選択肢の多さのみでETF市場の発展を期待することは難しいことを書きました。上場しているETFの数の多さだけでなく、取引量の多さが必要であるとし、市場参加者を確保しないといけないことをもって資本市場の民主的な本質を表しているとしました。今日はもう少し深堀りし、資本市場の発展の仕組みに必要なものについて考えていきたいと思います。

資本市場では商品に対して、売り手と買い手の考え方が一致して取引が成立します。同じ商品に対して異なる意見を有する売り手と買い手が、価格を通じて意見調整を行い、取引をするわけです。すべての市場参加者が同じ考え方をしていては取引は成立しませんから、資本市場の成立は多様な意見の存在を前提にしていることになります。

そして資本市場を成立させるのは市場参加者の多様性だけではありません。市場参加者の多様性を確保するためには、思想信条の自由や言論の自由が必要になるでしょう。単一の思想信条や情報源からは、画一的な意見しか生まれてこない傾向があると思います。このように考えていくと資本市場の高度化を実現するには、経済を発展させて魅力的な上場企業を育てることや上場企業の数を増やすことだけではなく、民主的な社会を作りあげる必要があることが分かります。

資本市場という仕組みはその成り立ちからして民主的であることが宿命づけられ、また資本市場の発展には民主的な社会が必要となる。このことが示唆することは多いように思います。