岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

株安にも関わらず、なぜFRBの舵取りを巧いと考えているのか?

本日の日本株式市場は日経平均で900円を超える下げとなりました。今日の株安は米国の株安を反映した下落と解釈されています。
米国ではFOMCの発表を受け、先週後半から株価が若干ながら下落しています。それにも関わらず私がなぜ先週のFRBの発表を巧かったと考えているのか、記録しておきます。

先週のFOMCの発表の要点は、FRBはインフレの想定以上の高まりを放置しないことを改めて明確にしたことだと思っています。FOMC後の発表を受けて金融引き締めを意識させた一方で、イールドカーブのフラット化が進んでいることは、市場のインフレ懸念が後退したことを示していると言えるでしょう。
また今回の株安は金融引き締めへの転換を嫌気したものと理解していますが、現在の金融政策が将来的にわたって維持できるはずもなく、遅かれ早かれ引き締めに転じる必要があったと考えます。引き締めを意識するタイミングが遅らせれば遅らせるほど、政策転換に伴う株価下落は大きくなったのではないでしょうか。

現在は新型コロナの収束が見え始めており、引き締めへ転換することの実経済への影響は限定的です。それどころか需要の爆発により、高インフレを懸念する声がちらほら聞こえていました。そうした環境で開催されたFOMCにおいて、引き締めへの転換を匂わすのは実に巧みな舵取りと言えるのではないでしょうか?

株価が下がったといっても、米国の株価下落は2%程度で済んでいることも、舵取りの巧さを市場が好感しているのだと思っています。

と、冷静さを装っていますが、この記事を書きながら米国株先物の値動きを確認したことも事実です(ちなみに上昇していました)。今晩の米国市場でどのような動きを示すのか、注目したいと思います。