岸辺の日記

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米国の物価上昇は一過性のものなのか?FOMCの結果に注目

金融市場で2月から4月にかけて盛り上がった高インフレに対する懸念が一服し、市場が落ち着いてきました。インフレに対する見通しは金利に直接的な影響を与え、ひいては株式にも影響を与えるため、要注目です。

以前の記事でお伝えした通り、当局はインフレ率の上昇は一過性のものと考え、大半の市場参加者はその意見に賛同しています。物価が上昇しているのは中古車や半導体など、サプライチェーンの一部が滞っているのが原因であり、そうした要因が解消されれば、インフレ率の上昇は解消されるという考え方には一定の確からしさは感じられます。一方でインフレ率の今後がどうなるかということは、当局者であっても分からないのではないか、とする慎重派の意見もとてもよく分かります。
最近発表された経済統計を眺めても、結果はまちまちです。価格が上昇していた一部のコモディティ価格の低下はインフレ率の上昇は一過性であることを伺わせますし、また生産者物価指数を見ると、インフレ率の上昇は根強い可能性を感じさせます。

なお、2月から4月の金融市場における懸念の広がりは、金融市場によくある「過剰反応」である可能性もあります。新しいシナリオを折り込みに行く際、市場は大きく反応するものだからです。高インフレ懸念については、それ以前からもちらほら聞かれていたので、完全に織り込まれていなかったというわけではないと思いますが…
そして「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で、金融市場の過剰な懸念が落ち着いていたのだとすると、何らかのきっかけでその懸念が再燃してもおかしくありません。そしてそのきっかけとして考えられるのは、米国のテーパリングをめぐる動きであるように思っています。

昨日から行われている米国の金融政策決定会合の結果は、明日の早朝に発表されます。米国中央銀行のトップがどのような見解を示すのか、要注目です。