岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

日本のアニメスタジオが中国の下請けに、国際分業体制下で得意分野に特化すること

日本のアニメ制作会社が中国のアニメ制作の下請け仕事を受けているという記事を読みました。アニメ制作の流れをよく理解していないのですが、比較的単純な仕事を中国のアニメ制作会社から請けおっているそうです。


意外感がありましたが記事の中で触れられているように、アニメ制作の現場で支払われている賃金の日中の格差(中国側は日本人に3倍の給料を払っても良いとのこと)を考えると、これは必然であるように思います。現場で働いている日本人からすると、自らが親しんできた日本のアニメを作成している方がやりがいはあるのでしょうが、やはりお給料も大事です。


このような現象はアニメ業界に限らず、日本の産業界全般で見られています。例えば電機業界では、かってウォークマンに代表されるような世界的なヒット商品を自ら開発していましたが、いつの間にか最終製品(例えばスマートフォン)では存在感が小さくなり、部品提供(半導体やレンズ等)に活路を見出しています。消費者としては少し残念な気がしますが、売れない最終製品を作っても仕方ありません。経営判断としては当然の選択です。

また下請けの仕事が利益率(働き手に置き換えるとお給料ですね)が低いとも限りません。最近、台湾の半導体業界の重要性に注目が集まっていますが、得意分野に特化して絶対不可欠、唯一無二の存在になると、利益率も良くなるものです。また市場規模はだいぶ小さくなりますが自転車の製作でも、最終製品を作るメーカーよりもブレーキや変速機を作っているパーツメーカーの存在感が大きかったりします。
このように考えると自分の強みに特化することは、生き残っていく上で有効な戦略であると思います。国際的な分業体制が構築されている現在であれば尚更です。

 

ただ、例えば未来ある若者が最初から部品製作に特化した人生を送ることは、なんとなく夢がない気もします。若い頃は夢を追って最終製品、歳をとったら生活を重視して部品製作。このあたりのバランスは大事でしょうね。