岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

気づけばハイイールド債の利回りが9%台に。これは魅力的では?

昨日も米国株式市場は下落し、S&P500は年初来安値を更新しています。現在の下落幅は25%で、私が追加投資のタイミングとして想定している28%下落も視野に入ってきました。恐怖指数と呼ばれるVIXも34まで上昇しています。

これまで記事にしてきた通り、私は追加投資の対象として株式を想定しています。クレジット債にも投資済みですが、金利上昇局面で債券に追加投資するのは得策でないと考えていたためです。そんな私ですが本日、米国ハイイールド債の利回りを確認し、少し心が動きました。現在、ハイイールド債の利回りは9%台まで上昇しています。

セントルイス連銀のデータベースより

 

9%台という利回り水準は近年にない高さです。コロナ禍の最中に記録した値が9.2%(上記は月次のグラフであるためで、日次では11%台まで上昇しています)であることを考えると、その頃と現在では10年国債利回りの水準が違うとはいえ、その魅力が分かると思います。今後米国10年国債利回りが仮に4-5%まで上昇したとしても、見通し不透明感から米国ハイイールド債利回りがさらに上昇すれば(例えば10%台まで上昇すれば)、金利上昇局面であってもハイイールド債に目をつぶって投資して良いかもしれません。

私は短期国債の利回りが4%台に上昇しても、短期国債は長期的な投資対象になりにくい(FRBも少なくとも数年後にはさすがに利下げに転じるでしょう)ことから、投資対象にしなくて良いと考えていました。数年後に売却する時のタイミング判断や納税など、考慮すべき点が多いからです。ハイイールド債であれば話は別で、リスク資産であることから長期的に投資可能であるように思っています。

私は手元にあるドルの半分を株式に投資しておき、残りはさらなる下落が発生した時に備えた待機資金にしておこうと思っていました。そしてさらなる下落が発生した時は米国ハイイールド債の利回りは現在よりも上昇している(10%台になっていても驚きません)でしょうから、残り半分のドルはハイイールド債へ投資するのも有力な選択肢であるように思い始めています。

8月末のバリュエーションチェック。データの欠落で肝心な時に役に立たない…

8月末の株式市場のバリュエーションチェックを行いました。今回もETFのホームページを参照し、PER(倍)、PBR(倍)、ROE(%)の順で提示しています。なお日本株は同じ会社の英国法人が運営するETFのホームページ記載のデータであり、データの基準が異なる可能性があります。

世界全体(VT) --- 2.4 15.2
米国(VTI) 18.8 3.4 19.5
欧州(VGK) 11.2 1.7 13
新興国(VWO) --- 2 14.4
日本(VJPN) 12.8 1.2 10.5

データの中で「---」となっているのは、ホームページ上の記載がなぜか欠落していたものです。全世界株と新興国株のPERは今月まさに確認したかっただけに残念ではありますが、データ閲覧に対価を支払っているわけではなく、文句の言いようがありません。バリュエーションは全体的に低下傾向ですが、中でも欧州株の低下が目立っています。ロシアのウクライナ侵攻に起因したエネルギー問題と、エネルギー問題が引き起こす景気後退懸念がその要因になっているのでしょう。

株価下落を受けて株式への追加投資を検討している私ですが、全世界株と新興国株のうち、全世界株に投資する方向へ気持ちが傾いています。長期的に引き続き新興国株が期待できると考えるものの、中国を中心としたアジア圏のリスクを、地政学的リスクや景気の先行きが懸念されるこの時期に好んで取る必要はないように思えるためです。また今回の追加投資が米国株の下落幅を確認しながら実行するものであるため、米国株が多く含まれる全世界株を買う方が整合性があるとも考えています。

全世界株の中にも10%ほどですが新興国株は含まれています。新興国経済の長期的な成長は全世界株の一部として限定的に享受することで自身を納得させています。

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英国は大丈夫か?他国の心配をしている場合でないのかもしれませんが…

英国の財務相が先週末の大規模な減税計画に引き続いた減税を行う可能性を示唆し、英ポンドは一時急落しました。その後は値を戻して平静を取り戻した格好ですが、リスクを察知すると即応する資本市場の厳しさを改めて感じさせます。英国内では今回の英国売りを牽制する発言を英中銀から出すことを求める声があがるなど、危機管理モードに入った印象です。

日本では先週末に為替介入を行い3-4円の円高を引き起こすことに成功しました。ただ市場の予想通りこの円高は一時的なものにとどまり、再び144円台まで円安が進んでいます。先日記事にした通り、日本円や日本国債は政府の財政状況を考慮するとかなり安定した値動きを示しています。財務省の言う「断固たる措置」(為替介入のことをこのように表現していました)にも関わらず、円安そして物価上昇が止まらないことが日本国民の知れ渡ってしまった時、これまで変わらなかった日本人の資産運用に変化が起こるのかもしれません。

その時に予想される資産運用に起こる変化は外貨建資産への移行だと思います。預貯金を通じて買われていた日本国債が売られる時にどのようなことが起こるのか、おそらく日本銀行は日本国債を買い支えるのでしょうが、その買い支えがさらなる不安を招いてしまい…などと恐ろしいことを考えてしまいます。

そんな私ですが本日実行しようとしていたドルへの換金を、円安進行に怖気づいて見送ってしまいました。上記のようなことを懸念していれば黙ってドルを買っておけばよいのですが、短期的な損得にとらわれてしまうところが、私の至らなさです。自身の投資行動を振り返ると、この記事で記載したような日本人の資産運用に変化が起こるのは当分先のことなのかもしれません。

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やはり形勢不利となった現代貨幣理論(MMT)。日本の将来は大丈夫か?

最近話題になることが減った現代貨幣理論(MMT)、理論の前提で最も困難な部分であるインフレの抑制が難しいことが分かり、説得力を失っているようです。

そもそも自国通貨での借り入れが可能な国がいくらでも借り入れが可能なのだとしても、資金の出し手はそれだけの対価を求めるものです。先週末に英国が大型減税を打ち出した後、財政規律が失われることを懸念し、英国の債券と通貨が売られました(株式も下落しています)。これが通常の市場の反応だと思います。

では実質的にMMTを導入していると言われる(政府・日銀は否定していますが…)日本において、英国と同様に債券安と通貨安が発生しなかったのは何故でしょうか?
様々な識者がいろいろな意見を出してきましたが、最近「日本人の金融リテラシーが低いから」という身も蓋もない説を知りました。金融リテラシーが低いので、財政悪化にも関わらず漫然と債券が買われ続け、安定した国内金融市場に支えられて通貨も下落しないというわけです。

金融リテラシーで片付けられるような単純な話ではないとは分かりつつ、海外で起きている物価上昇を見て日本人が財政に危機感を抱き始めると、安定していた国内金融市場に大きな変化が起こるのかもしれません。そしてこれまでが無風すぎた分、変化が起きた際の変化幅は相当大きなものになるのかもしれません。

そんなことを考えると、近いうちに株式へ追加投資するための週明けのドル買いは、当初予定額よりももう少し多めでも良い気がしました。実際に買うかどうかは明日の為替レート次第ですが、証券会社への入金額を当初予定より増やしておきました。

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株式市場のピークから底値までの下落幅は平均28%

米国株式、S&P500が年初来安値を更新したら追加投資しようと考えていたところ、昨日も米国株市場は下落し、年初来安値にさらに近づきました。追加投資のタイミングについてもう少し真剣に考える必要があるということです。

今回の下落局面の下落幅については、(いつものことながら)様々な意見が存在します。それらの意見を確認すると、ベテランほどコロナ対応の異次元さから大きな下落幅を予想しています。これらベテランの意見は正しそうに思える反面、30-40%といった歴史的な下落幅になるほどでもないような気がしています。

このような時は過去の実績を確認するしかないと思っていた時に参考になりそうな記事を読みました。過去の市場下落局面を確認すると、ピークから底値までの下落幅は平均で28%だったという分析です。この分析は1937年以降の15回の下落局面を分析した結果とのことです。今年の年初来の下落幅が24%で、現在は23%ですから、下落幅の平均にかなり近づいていることになります。

現在の下落の勢いを確認していると28%までの下落は容易に達成するように思え、そうであれば28%の下落が確認できた時点で、一旦目をつぶって追加投資をしても良いかもしれません(昨日記事にした通り、追加投資額は手元のドルの半分にとどめる予定です)。

投資家心理は全面降伏とはいかないまでも、かなり悪化しており、昨晩で恐怖指数と呼ばれるVIXは29まで上昇しています。来週が追加投資の好機になるかもしれません。

なお為替介入の効果はやはり短期的なものになりそうで、昨晩で為替レートは143円まで戻っています。週明け月曜の東京市場がどうなるのか分かりませんが、ドルの換金は焦って行うほどでもないように思います。ただ来週が追加投資の好機なのだとすると、高値であることは目をつぶってドルに換金しておいた方が良い気もしており、この点は週明けの為替レートを見て決めたいと思っています。

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株価が底値付近まで下落してきたので追加投資方法について考える

パウエル議長が今後の金融引締め姿勢を明確にしたことを受け、株価の調整が続いています。気づくと私が追加投資の候補と考えている全世界株と新興国株のETFのいずれ(まだどちらにするのか絞りきれていません)が今年の最安値を更新したことから、追加投資について本腰を入れて検討する必要が出てきました。

まず追加投資のタイミングですが、先週のFOMCの結果を市場が織り込むにはもう少し時間がかかるように思っており、また投資家心理がさらに悪化してもおかしくないと考えています。普段確認しているスプレッドシートにS&P500の下落幅とVIXの値を追加し、こまめに確認していきます。

過去の下落幅を確認すると世界金融危機(リーマンショック)の時に55%、ITバブルで47%、コロナショックで34%の下落となっています。強い根拠はありませんが失業率の低さなどを考えると米国経済は底堅いように思っており、今回の下落幅はこれら過去のイベントほどにはならないような気がしています。S&P500が今年の最安値を更新した後にどこまで下落するのか、観察していきます。

追加投資の金額ですが、以前記事にした腹八分目くらいの投資額が適切という考え方に基づき、手元のドルの半分を追加投資に充てたいと思います。あてにならない自分の予想が外れ、さらに魅力的な追加投資の機会が出現するかもしれず、全額投資は控えることにします。

最後に昨日記事にした円のドルへの換金ですが、手元の円がそれほど積み上がっていなかったため、為替介入の効果が週明けも続いていれば、限定的な金額をドルに換金することにします。

本日の為替介入に関する解説記事を読むと、介入によって一時的に円高になったものの、円安の原因である金融政策の違いは厳然として残っており、介入の効果は短期的とする意見が多かったです。私も同感であり、追加投資というドルの利用時期が近づいているタイミングで、ドルに換金しておくことは悪くない選択肢であると思っています。介入の効果が週明けまで続くことを期待しています。

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個人投資家にとってあまり意味のないタイミングで行われた為替介入(為替介入は個人投資家のためにあるわけではありませんが…)

日米の金融政策の違いに起因した急激な円安を緩和するため、当局は為替介入を実施しました。145円台半ばで推移していた為替レートは、この記事を作成する時点で141円まで、一気に3.5円ほど円高が進んでいます。

昨晩のFOMCは予想通りの0.75%利上げとなりましたが、同時に物価上昇を抑えるため、痛みを覚悟しながら金融引き締めを継続する方針が示されました。一方の日銀は異次元の金融緩和を継続する方針を本日示しています。金融政策の違いが鮮明になり、円安が進行するのは当然のことで、145円台を突破したことが為替介入のキッカケになったものと思われます。

私は世界的な株安が近々に来るのではと考え(昨晩のFOMCの結果を受け、この可能性は高まったと考えています)、米国上場のETFを通じた投資を行うためのドルへの換金を、為替介入が行われるタイミングで行えば良いかと思っていました。ただ明日以降、日本の証券会社は休日です。追加投資は来週の月曜以降ということになり、為替介入のタイミングを捉えたドル買いは難しいかもしれません。ともあれ来週月曜の為替レートを確認し、魅力的な水準となっていれば、ドルへの換金を行おうと思っています。

確認すると前回のドル購入は135円台半ばで実行しています。為替介入がどのように継続されるのかは分かりませんが、介入の原資に上限があることもあり、135円台まで円高が進むことはないように思います。こうしたこともありドルを購入するにしても、株式への追加投資予定額にとどめたいと考えています。この連休は今後の株安局面で株式にいくら追加投資したいかについても考えたいと思います。

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